全ては巡ってうまくいく【トーラスクリエイション】

スピリチュアルに軽やかにこの世を生きる

サラリーマン脳と事業者脳①

ごくごくふつーのサラリーマン家庭に育ったわたしが、税務署に「開業届」を提出して、個人事業主として自分のお仕事を始めて11年。当初は賃貸ハイツの狭いDKを使って、アロマクラフト作りの講師業からスタートした。「薬剤を使わない手作り香り雑貨のワークショップ」がメインのお仕事。最初は趣味の延長だった?いいえ、わたしにとって「脱お薬」の暮らしは他人様が思う以上に切実なものだった。

重度の精神病を患っていたわたしは、毎日お腹がいっぱいになる量のお薬を常用していた。お薬を飲むために食事を摂る。もういろいろおかしいから主食はおせんべい(雪の宿)。副食がチョコレート。フルタの生クリームチョコがお気に入りでね。とにかく、おせんべいとチョコで生きてた。いろいろおかしいから太らない。今こんなに大好きな白ご飯、当時は嫌い。だって砂を噛んでるみたいで味がしないんだもん。これも全ていろいろおかしかったから。「感じること」の全てをお薬で封印した代わりにやってきた副作用のせい。ツライ苦しい死にたい…と思わない代わりに、嬉しい楽しい美味しい…もわからない。わたしは全ての「感性」を失っていた。

そんなわたしが「感性」を取り戻すために始めた「アロマテラピー」。香りが記憶や本能に直結することから嫌も応もなくカラダやココロが反応する。人としてとても大事な「感性」を取り戻すためのリハビリでもあった。

さて前置きはさておき本題へ。

最近わたしの周りに、同じような主婦起業家が増えてきまして。アイテムは違えど、目指すところが共通しているので会話がやたら盛り上がる。刺激をもらったり与えたり。主婦によくある悪口軽口噂話が出てこない。今後の目標や楽しみや希望、楽しい話題が絶えないし尽きない。そこでふと氣づいたことがある。主婦起業友人の大半は、ご身内特にご両親に事業家の方が多いってこと。

わたしはがっつりサラリーマン家庭に育った。父親はいわゆる職人として一人親方の道もあったが、その道を自ら断ち退職金のためにサラリーマンを貫いたのに、会社の経営悪化のため退職金も受け取れず、ある日あっさり定年退職を余儀なくされた。予定されたものではなく、業績悪化のために、本当に突然その日はやってきた。さすがに父に言ったさ「お父さん退職金のために我慢してサラリーマン貫いてきて、いざ受け取れないってどゆこと!?」と。でも父は苦笑いしながら「いやもういい」と口をつぐんた。長年世話になったのだから波風立てるのもイヤだと言った。わたし自身雇われて働いて、母子家庭になると足下を見られて良い風にこき使われるだけこき使われ、会社に潰された口だ。さらに使いものにならなくなったらあっさり捨てられ。上司に繰り返し言い聞かされた「うちの会社にあなたは必要なんだから」は、正確に「うちの会社にはあなたみたいな人が必要」だった。氣づいた時わたしはすでに再起不能

そんな経緯から病を経て、自分で何か仕事を!と一念発起し、それはそれは濃い時間を生きてきた。他人に傷つけられ何度も凹むのだけど、幸い今の業務を嫌いになったことはただの一度もない。アロマセラピスト、ヒーラー、リフレクソロジスト、カードリーダー、講師。どれもこれも今の自分を構成する欠かせないものばかりだ。

さてそんなわたしが一番苦労したのが「お金に対する考え方」だった。まず「借金は悪」というDNAに刷り込まれたかのような深く根強い思い込みが、ずいぶんとわたしの歩みを邪魔した。普通の主婦が起業するとき、まず資本金がないところから始まる。するとお客様をお迎えするだけで「借金」をしないといけないのだ。お客様用スリッパを買い揃えるところから、家計とは別の「お買い物」をする必要があった。家族のものとは別に、清潔感のあるタオルが必要。何なら施術用のベッドも要る。もう大借金は免れない。

借金なんか「悪」でしかないから、その日から罪悪感に苛まれる。家族への後ろめたい想いを抱えつつ、不安いっぱいで押しつぶされそうになる。家族に指摘されないかいつもヒヤヒヤしている。これが「サラリーマン脳」の典型だ。

それが、事業家の親族もしくは親を持ち育った友人たちは全く捉え方が違う。仕事のための借金は全て「投資」になる。お金を借りても「投資」。まずは「投資」。言葉をウィキってみたらこうだ。

「投資」とは。
主に経済において、将来的に資本を増加させるために、現在の資本を投じる活動を指す。広義では、自己研鑽や人間関係においても使われる。どのような形態の投資も、不確実性が伴う。一般に、投資による期待収益率が高い場合、不確実性も高まる。

どうですか?「不確実性」ですってよ奥さん!こんな危ない橋渡っちゃっていいんですか!?しかも「期待収益率が高い場合は不確実性も高まる」ですってよ?たくさん収益を見込めば見込むほど不確実らしいですよ。えーこれ怪しいんちゃうん。こんな危ない橋渡れへんわ。で、辞めちゃうんでしょうね大半のサラリーマン脳主婦は。

しかし最近懇意にしてもらってる事業家を親に持つ友人たちは涼しい顔をして「投資よねー」と笑う。その笑顔には罪悪感の欠片もない。むしろ自信に満ちてキラッキラしてる。なんかねーまぶしーんですよこのキラッキラが。なかなかわたしが放つことのできなかったキラッキラがそこにある。これにみんな憧れるんです主婦層はね。だけどどうしても相容れないのが「投資の言う名の借金」なんだな。この矛盾をどうして埋めるのか。ここが最大の問題なんです。

 

講師として活動し後進を育成するとき、必ずぶつかる壁がここにあります。わたし自身かなり勉強して努力してその矛盾を埋めてきたのだけど、起業を目指す時にサラリーマン家庭に育った人は、ここを避けて通れないと感じています。実は、先日ラジオ*1でも収録してきたテーマなんだけど、それに先駆けて書いてみます。長くなりそうなので今日はここまで。

*1:サブパーソナリティーを務めるfm135「楽RAKUハッピーラジオ」という番組